緑風庭 〜第一章〜時季の庭 四季のかげを追い続けて…

鯖江市 浮造焼杉板と天然竹 伝統の技で継いだ創作垣根

垣根のリフォーム工事のご紹介をします。
既存の建仁寺垣が朽ちてきたため、作り直しのご依頼をいただきました。
「人工竹垣ではなく、やはり天然竹垣が良い。でも、できる限り長持ちしてほしい。」というのがお施主様のご希望でした。
そこで、竹垣では耐用年数に乏しいため、焼杉板を用いた板塀をご提案させていただきました。
距離の長い主庭部分には杉板を用いた板塀を、また奥の牡丹の背景には青竹を用いた建仁寺垣を創作。どちらも笠には棟瓦を載せました。

施工前の状況です。
当初は同様の建仁寺垣を新たに作り直す予定でしたが、垣根の耐用年数を少しでも伸ばすため、オリジナルの垣根をご提案しました。

Before|After


庭の背景として作られていた建仁寺垣を撤去し、瓦を載せた創作板塀を新たに作りました。
お施主様からは、「天然素材を用いての垣根」「両面仕様」「尚且つ間柱を隠してほしい」というご要望を頂きました。

Before|After


板塀の施工場所は距離が長く、瓦屋根の下地の木材は継ぐ必要があります。「突付」では横揺れやねじれに弱いため、今回は「腰掛け鎌継ぎ」という継手技法を用いて継ぎました。

組み合わせることで一体となった下地材は横揺れにも強く、引張力に対抗してくれる利点があります。
そして、上部に載せた瓦の荷重を支えてくれるのは、杉板を貼ることによって内側に隠れる間柱です。
使用した板は、国産杉を焼いたのち磨いて浮造(うづくり)加工し、塗装を施したもの。美しい杢目が立体的に浮かび上がる、味わい深い建材です。
相じゃくり加工が施された焼杉板を貼り、所々に割竹を入れるためには、相じゃくり部分をカットし、割竹と焼杉板の双方を鉋掛けする等、加工が必要です。

焼杉板を背景に庭木の緑が引き立ち、また、青竹も程よく差し色として調和しています。
青竹は経年とともに落ち着いたあめ色へと変わり、庭にしっとりと馴染んでゆきます。

Before|After


牡丹の背景となるこちらは、片面仕様の創作建仁寺垣に。
笠には棟瓦を載せ、立子と押縁は青竹を用いていますが、親柱、間柱、胴縁は腐食に強いアルミ材を使っています。
下段の受け板は間柱と親柱の形に合わせて切り欠きと細工を施し、ぴったりと収まるようにしました。
板塀と同様に天然素材と新建材の利点を取り入れた、いわばハイブリッドの現代の創作竹垣です。

割竹をかきつけたのち、押縁を仮止めした施工中の状況です。
棕櫚縄のかきつけだけでは割竹が動くため、下段2段目に使う忍び竹(細割竹)にアルミ平板を忍ばせています。

忍び竹を押縁で隠した状況です。
建仁寺垣の立子は、節のちらし具合が美しく見えるようにバランスを見ながらかきつけます。

お客様には、「牡丹と竹垣の組み合わせがとても綺麗。瓦を乗せるアイデアはなかなか見たことがなく、雨が降っても上から水が入らず、積雪にも強く、耐用年数を上げられるのが良いですね」と喜んでいただきました。

竹垣も時代の流れと共に形や素材が変わってゆきますが、その本質は変わりません。
古くから作られ続けてきた垣根の神髄を大切に、今の時代に適した形を模索してゆきたいと思います。

 
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